マンション和室・間仕切り撤去→広々LD化!床下地組み替えの難所と解決策
アイ・アール・オー株式会社の[UE]です。今回は、マンションリフォームで頻繁に要望される「和室撤去によるLD拡張工事」において、特に床の全面貼り替えと段差解消で直面した、プロならではの難題と、それをどのように解決したか、技術的な備忘録として詳細に残します。
1. はじめに:リフォームの目的とプロが直面した課題
ご要望とゴール
お客様のご要望は、和室と既存LDを一体化し、開放的な広々LDKを創出すること。もちろん、仕上がりは全面フラット(段差ゼロ)、そしてマンションの管理規約に基づいた遮音性能(L-45以上)の確保が絶対条件です。
難題の核心
今回の現場で特に難易度が高かったのは、既存の床構造が、一般的な「直貼り」ではなく、以下の構造となっていたことです。
| 部屋 | 既存の床構造 | 撤去後のスラブ高差 |
| 既存LD | 床スラブ→ 木製下地組み→ コンパネ → フローリング | 和室側より高い(スラブ面が浅い) |
| 元和室 | 床スラブ→ 荒床→畳55mm | LD側より低い(スラブ面が深い) |
LDの「下地組み」の撤去と、その後の**「和室部分の深いスラブ」と「LD部分の浅いスラブ」**の異なる高さを、同一の防音下地でフラットに繋ぐことが、今回の最大のミッションでした。

↕廊下部分には水廻りの配管などが転がっていて注意が必要です。
2. 緻密な計画:既存下地撤去と新設の基準レベル設定
① 既存LDの下地組み撤去
通常の直貼り撤去とは異なり、既存LDの床下地(コンパネ部分まで)を全て剥がすため、作業の騒音と振動には特に注意を払いました。
- ポイント: 撤去時に壁際は特に注意しました。新設する下地組みに影響が出ないよう、気をつけました。
廃材量も増えるため、産廃処理の段取りを密に行いました。
② 新設床の基準レベル設定
まず、レーザーレベル(水準器)を用いて、撤去後のLD全体の床スラブの**最低レベル(一番低い点)**を計測し、そこを新設する防音下地の基準点としました。
- やはり高さが7mmの工程があったため、うちの大工さんが苦労していました。
3. プロの技術:和室の「底上げ」と「二重床」システム
最も技術を要したのが、和室とLDの床レベルを合わせるための**「調整」と、LD全体の床スラブの凹凸を吸収しつつL-45を確保する「防音下地の組み直し」**です。
4. 間仕切り撤去部分の納まりとフローリング施工
壁を撤去した部分も、下地組みが連続するようにネタと大引で堅固に補強しました。
- 剛性の確保: 広々とした一体空間だからこそ、床のたわみや振動は気になります。特に間仕切り壁の跡は、入念に補強を行い、将来的な床鳴りを防止しました。
- 遮音フローリングの貼り付け: 下地組み完了後、管理規約をクリアした[NODA]のL-45等級フローリングを隙間なく丁寧に施工し、美しいフラットな大空間を実現しました。
5. まとめと施工後の評価
今回のリフォームは、既存LDの複雑な下地構造と和室の床レベルの調整という二つの難所がありましたが、事前の緻密な調査と、二重床システムを用いた高精度なレベル調整により、お客様の理想通り**「段差のない、開放的で静かなLDK」**を実現できました。
【今回の教訓】
マンションリフォームにおいて、和室とLDの床を繋げる際には、既存の床構造(特にLD側が組床か直貼りか)を必ず確認し、二重床システムによる統一的な下地組み替えを前提に計画を立てることが、段差解消と遮音性能確保の両立への最短ルートであることを再確認しました。
BEFORE 施工前
浜松市のマンションリフォーム施工前、施工中写真です
AFTER 施工後
浜松市中央区のマンションリフォーム広々LDKの施工中写真です
静岡県浜松市住吉3丁目8-16
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- TEL(代表)053-474-2592
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